誰かが作った。作った誰かが見える。
ただ積むのではなくて、ちょっとずらして遊んでみたのか。
深い作為なきアノニマスデザイン、だと思う。
何の気なしに、でも確かに確信的に
その人の感覚のみで作ったものが風景になっていく。
ステキな日常。ステキな時間。ステキな風景。
少し前、朝のラジオで美輪明宏氏が
シンプル・簡素化されたものはつまらない、と話していた。
1920年に愚かな建築家がコンクリートジャングルを造り出したと。
ル・コルビュジェのこと?
合理的で無機質な空間は退廃的な生活と思考を産み
数多くの精神的病と犠牲者を生み出した。
けれど時間と自然はそれらをもやさしく包み込み
今また再生のチャンスを与えている。
合理的思考を手放すことはできないが
新しいバランスで世の中を再構築する時期なのかもしれない。